2年間もインクが乾かない『#3776センチュリー』がきっかけになりまして、ここ1年1ヶ月間の筆記用具はほぼ万年筆で過ごすことができてます。
複写の申し込み用紙などはボールペンが必要になりますが、そのほかの生活では万年筆の鮮やかな色とヌルヌルのインクフローを楽しみながら筆記してます。
万年筆は、ボールペンやシャープペンなどとは違って、インクを楽しむ筆記具なので、インクに強いノートじゃないとにじんだり、裏抜け・裏写りすることがあります。
例えば、ボールペン時代によく使ってたモレスキンは、万年筆だとザラザラして書きにくいし、インクはにじむし、裏抜けもするわで、万年筆をまともに使えるノートではありませんでした。
というわけで、今回は、万年筆を本格的に使うようになった1年1ヶ月の間に、裏抜け・裏写りしないノートを見つけるためにたくさんのノートを使ってきたので、その中からおすすめのノート7つを紹介します。
万年筆向けだと思って買ってみたけど、大失敗したノートも合わせてご紹介。
万年筆におすすめしないノート
まず最初に、後悔したものから。
「万年筆で書いても裏抜けしない」というAmazonのレビューを読んで買ってみた『アピカ プレミアムCD 紳士なノート』。
ハードカバーとシルクのような書き心地に惹かれて買ってみたんですが…
書き心地はほんとにシルクのようにヌルヌルでとても良い。ただ、中字より太いペン先だと…
ご覧の通り、かなり裏抜けが激しいです。手持ちのFニブ以上のペン先の万年筆すべてで裏抜けが発生してます。
なので、本来は表裏の両面に書きたいんですが、片面にしか書けません。
2千円を超えるノートでこんなにインクが抜けるとは思ってもみませんでした。
なので、万年筆では使わずにボールペンやシャープペン専用として使ってます。
万年筆におすすめのノート7選
ここからは、本当に気に入って使ってるノート7つをご紹介します。
下に行けば行くほどお気に入りのノート(おすすめノート)です。
ロイヒトトゥルム
- 書き心地 ★★★☆☆
- 裏抜け耐性 ★★☆☆☆
- 裏透け耐性 ★★★☆☆
- コスパ ★☆☆☆☆
※「書き心地」は万年筆で書いたときのペン先の心地良さ
※「裏抜け耐性」はインクの裏面へのにじみにくさ
※「裏透け耐性」は黒い文字の裏面への透けにくさ
まず最初は、モレスキンと同じような、ハードカバーにゴムバンド、さらにしおりが2本も付属してるロイヒトトゥルムです。
ドイツ生まれの実用性を追求したロイヒトトゥルムのノートです。
「継続性と精巧さが他との顕著な違いを生み出す」という哲学に基づいたノートで、シンプルなデザイン、細部までこだわり抜いて作り上げられた精巧さ、実用性に優れた機能で、世界中のファンから愛用されています。
Mニブ以上のペン先だと抵抗を感じることなくサラサラとした書き心地です。ただ、Fニブより細いとペン先にちょっとだけザラつきを感じます。
残念だったのが、ほんのちょっと裏抜けすること。細いペン先なら裏抜けすることはほとんどないですが、インクフローが潤沢な中字〜太字になると、途端に裏抜けしてしまいます。
価格は約3千円とちょっと高め。
日々の思いつきや愚痴などを書き綴るノートとして使ってます。
クロッキー帳 クリーム
- 書き心地 ★★★☆☆
- 裏抜け耐性 ★★★★★
- 裏透け耐性 ★★☆☆☆
- コスパ ★★★☆☆
マルマンのクロッキーブックは1970年に発売されました。当時は画家がスケッチブックとして使うことが多かったんですが、時代の流れとともに様々な用途で使われるようになってます。
絵を描くのはもちろん、イラスト、マインドマップ、アイデア帳、打ち合わせで簡単な絵を描いて説明したり、落書きノートとして使うなど、サイズが豊富なので誰でも自由に使えます。
用紙は白クロッキー紙とクリームコットン(クリームクロッキー)紙があります。
見た目も可愛いのでとても気に入ってます。
クリームコットン紙は、白クロッキー紙と比べて、色はクリーム色で若干厚みがあります。
万年筆の書き心地は、抵抗を感じることなくサラサラとした書き心地。ただ、細いペン先だとちょっとだけザラつき感があります。
優秀なのが裏抜け耐性。普段、クロッキー帳ではブログや動画を作るときの構成を万年筆でバーっと書き殴るんですが、どれだけ太字のペン先で書いても裏抜けしません。
紙は薄いので透けはしますが、裏抜けしたことは一度もありません。
ただ、白クロッキー紙よりも価格は若干高めです。
ライフノート シェプフェル
- 書き心地 ★★★★★
- 裏抜け耐性 ★★★★★
- 裏透け耐性 ★★★☆☆
- コスパ ★★☆☆☆
ライフノートシェプフェルは、製造段階から品質を指示して抄造(しょうぞう:紙の原料からすいて作る製紙法)したオリジナルペーパー。
滑らかな肌触りと、インクによるにじみや裏抜けが少ないレイド(特徴的な縞)入り高級筆記用紙です。
書き心地は抜群。上記で紹介した紳士なノートと同じくらい滑らかヌルヌルの書き心地です。特に太いペン先だとその感触を十分に楽しむことができます。
太いペン先のたっぷりインクでも裏抜けは一切なし。裏透けもかなり優秀でほとんど言うことが無い、満点に近いノートです。
ただ、方眼や横罫のB5ノート1冊(40枚)で約500円ほどするので、コスパはちょっと悪いです。無地だと2冊で約770円とちょっと安くなるので、試してみたい方は無地がおすすめ。
マルマン ニーモシネ
- 書き心地 ★★★★☆
- 裏抜け耐性 ★★★★☆
- 裏透け耐性 ★★★★☆
- コスパ ★★★☆☆
ニーモシネは、「書くこと、考えることが仕事を創造的にする→」をコンセプトとしたマルマンのビジネスツールブランド。初めて知った頃は「ニーネシモ」と何度も読み間違えました。正解は「ニーモシネ」です。
表紙に特別な樹脂を使用してあるので、用紙を保護し折れ曲がりも防止してくれます。
ツインワイヤ綴じでページもめくりやすく、紙も高品質な国産筆記用紙を使用。程よい厚みと心地よい書き味が特徴です。
アイデア出しやマインドマップ用として使うことが多いです。
万年筆での書き心地も上々で、ヌルヌルとまではいきませんがとても滑らかに書けます。太字から細字までとても心地よい書き心地です。
紙に厚みがあるので、裏透けはほとんど気になりません。ただ、インクがちょっと多く乗ってしまった部分は若干裏抜けしました。
本来、裏面は書かない仕様なのか方眼用紙の場合、裏面は無地になってますが、特に気にすることなく普通に書き込んで使えます。裏面も書き心地は表面と変わりません。
B5ノートの場合、80枚で約500円。切り取りミシン目や表紙の樹脂ハードカバーなど、細やかな配慮がされててこの価格ならコスパは高いと思います。
無印良品 裏うつりしにくいノート
- 書き心地 ★★★☆☆
- 裏抜け耐性 ★★★★★
- 裏透け耐性 ★★★☆☆
- コスパ ★★★★★
無印良品の原料に植林木パルプを使用した裏うつりしにくいダブルリングノート。
商品名に「裏うつりしにくい」と書かれてるだけあって、ほんとにインクが裏抜けしません。
さらに、驚くべきなのは価格。B5、48枚、7mm横罫で税込120円と、コスパは最強。
書き味は至って普通。ヌルヌルという滑らかさはあまり無いですが、サラサラで速乾性に優れてます。
安くて書き心地も良く、ご覧の通り裏抜けも全く無いので、万年筆の試し書き用ノートに最適です。
万年筆を使ってると、新しく購入した時やインクを入れ替えた時など、ちょっと試し書きしたい場面が頻繁に発生します。その際、ライフノートなどちょっと高めのノートに書くのはもったいない。
かといって、裏抜けしまくるノートは使いたくない。
そんな時にぴったりなのが、この裏うつりしにくいダブルリングノートです。
まとめて5冊とか10冊とかドカッと購入して家に常備してます。万年筆生活には不可欠なノートです。
万年筆の試し書きに最適な無印良品『裏うつりしにくいダブルリングノート』レビュー
ミドリ MDノート
- 書き心地 ★★★★☆
- 裏抜け耐性 ★★★★★
- 裏透け耐性 ★★★☆☆
- コスパ ★★★☆☆
MDノートは、まるで本のように丁寧に製本されてる日本製の高品質ノートです。糸がかり製本なのでパタンと180度開けて使うとことができます。
MD用紙とはミドリダイアリー用紙の略で、ダイヤリーのために1960年代に生まれました。
インクがにじみにくく、裏抜けしにくいという筆記適性はもちろん、心地よく書けることにこだわって作られてます。すべり具合、ひっかかり具合、肌触り、風合いなどの質感まで、さまざまな項目で検査し、心地よく書ける紙が追求されてます。
普段は、A5の方眼タイプに透明のカバーをつけて使ってます。
上記、ライフノート シェプフェルの書き心地には若干劣りますが、滑らかな書き心地です。細字から太字までどんなペン先でも快適に書くことができてます。
Amazonのレビューに「万年筆には向かない」というのをいくつか見かけましたが、僕の場合はそんなことは全くなく、万年筆でも問題なくというか、とても快適に使えてます。
使ってる万年筆やインクによって、差があるのかもしれません。
裏抜けもありません。裏透けも特に気になるレベルでも無いので、常用の万年筆ノートとして重宝してます。
A4、176ページ(86枚)、しおりひも付き、糸がかり綴じで880円です。コスパも悪くありません。
クロッキー帳 白クロッキー
- 書き心地 ★★★★☆
- 裏抜け耐性 ★★★★★
- 裏透け耐性 ★★☆☆☆
- コスパ ★★★★★
上記2番目に紹介した『クロッキー帳 クリームコットン紙』の白バージョンです。クリーム紙の厚みが60g/m2だったのに対して、この白クロッキーは52.3g/m2とちょっと薄いです。
その分価格も安くなってまして、毎日、ブログ記事や動画の構成をバババーっとペリカンM800のBBニブで書き出してます。これが非常に快適!
クリームコットン紙は、万年筆で書くとちょっとだけ引っかかるような感じがあるんですが、この白クロッキーはとても滑らかに書くことができます。
BBのペン先から豊かに流れるインクを滲むことなく受け止めてくれてます。
紙が薄いので裏透けはある程度ありますが、インクが全く裏抜けしないので特に気にならずに使えてます。
このクロッキー帳で一番気に入ってるのがサイズ感。
いろんなサイズがあるんですが、中でもMサイズ(302×242)がすごく使いやすいです。アイデア出しや考えをまとめるにはこれぐらい大きい方が好みです。
Lサイズ(356×268mm)も使ってみたことがあるんですが、さすがにちょっと大きすぎでした。逆にSサイズ(212×242mm)はコンパクトなので持ち運び用で使ってます。
机の上でドシっと腰を据えて書くにはMサイズがおすすめ。リング製本なのでくるっと回してスタンドに立てかけて使ってます。
コスパも最強で、Mサイズだと100枚で486円です。無印のノートと同じくらいコスパ高いです。
まとめ
万年筆を本格的に使うようになって、実際に使ってみたノートについてまとめてみました。
書き心地を求めるなら、ライフノートかMDノート。
カッコ良さを求めるなら、ニーモシネ。
コスパを求めるなら、無印のノート。
見た目のデザインも含めて、トータルのバランスならクロッキー帳がおすすめです。
今のところ、自分の中での最強ノートはクロッキー帳という結果になってますが、これ以外にも万年筆向けのノートはたくさんあると思いますので、
「こんなノートもおすすめですよ!」
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