万年筆を使うようになって感じたのがペン先の重要性。
万年筆の構成は非常にシンプルだけど、それぞれのパーツがものすごく繊細で手が込んでます。
中でもペン先は万年筆の最重要部分であり、「万年筆の頭脳」「万年筆の心臓」とも呼ばれています。
特にペン先の一番先にある丸いペンポイントは字幅を左右するもので、ペンポイントが大きいと字幅は太くなり、小さいと細くなります。
また、ペンポイントが上下にずれていたり切り割りが広すぎたり狭すぎたりすると、書き味に大きな影響が出ます。
ザラザラカリカリになったり、インクフローがたっぷり、もしくは少ししか出なくなったり。
ちょっとしたペン先の変化で書き心地に大きな影響をもたらすとても重要なパーツです。
万年筆をいくつも持ってると、同じ種類で同じニブの万年筆なのに、書き心地がいいものと悪いものがある。
その原因を知りたくなったので、ルーペを買ってみました。
ルーペとは?
ルーペ(拡大鏡)とは、物を単純に大きく見るためのもの。
早い人になると40代で老眼が出てきて、近いものが見えにくくなることがあります。
今回購入したのはルーペの中でも、万年筆のペンドクターさんが使ってるルーペです。
これはペンクリニックに行った時に、パイロットのペンドクターさんがルーペで万年筆のペン先をチェックしてる様子です。
目にルーペを当ててペン先をじっくりと確認されてました。
この時から気になりだしていろいろ調べた結果、15倍率の『ピーク PEAK ルーペ No.1962』を購入しました。
15倍率のPEAKルーペ 写真レビュー
これが『ピーク PEAK ルーペ No.1962』のパッケージ。かなりコンパクト。
説明書とルーペ本体が入ってました。
ピークのルーペにはいろんな使い方に合わせてたくさんの倍率のルーペが用意されてます。
万年筆のペン先をチェックするには、10〜20倍の倍率が良さそうだったので、今回は15倍のものに決めました。
大きさは、外径36mm、高さ33mm。重さは20gです。かなりコンパクトなので持ち運びも便利。
明るくてシャープなコントラストを持つ万能ルーペです。
実際にルーペを使ってみた
紙の上にルーペを置いて覗き込むと、ちょうどピントが合うようになってます。
何かに乗せてそれをじっくり観察する時にはピント合わせも不要でとても使い勝手が良いです。
手元にあったタオルやティッシュに乗せて覗き込んだら、繊維をドアップで細かいとこまで確認できたのには驚きました。これすごいですよ!
ペン先のペンポイントの状態がくっきりはっきりと分かります!
ただ、ペン先をチェックする時には右手に万年筆、左手にルーペを持って行うので、何かにおいて使う時よりピントがシビアです。きれいに見える場所に前後する必要はあります。
ネットで買った万年筆のペン先がずれてた
プラチナ万年筆の#3776 センチュリーは4本持ってます。
2年間もインクが乾かない『#3776 センチュリー』で本格的な万年筆生活が始まりました
そのうちの1本、ローレルグリーンは自宅に届いた時に使ってみると、インクがほとんどかすれて文字が書けない状態でした。書き心地もカリカリしててとても悪かった。
どんなペンポイントになってるのかルーペで確認してみると、ペン先が左右にちょっとだけずれてました。
当時は、たったこれだけで、ほとんどインクが出てこないほどかすれて書けなくなるんだと、軽く衝撃を受けました。ペンポイントって繊細なんだなーと改めて実感した体験でした。
もちろん自分で調整できるわけでもないので、早速販売元に連絡して返品。在庫がまだあったので交換手続きをしました。
後日届いた際には、まずインクを入れる前にルーペで確認。上下左右から見て、ズレがないことを確認。インクを入れて文字を書いてみると、前回とは雲泥の差で滑らかにインクが出てきてとても良い書き心地でした。
それからというもの、購入した万年筆は自宅に届いたらまずペン先をルーペで確認するようになりました。
自分で調整はできませんが、
- どんなペン先だったらきちんと書けるのか
- 切り割の幅とインクフローの関係
- どれが自分好みのペン先なのか
を把握するにはルーペは必須ですね。
最近は、ペン先を見るだけでなく軸がきれいなM400の緑縞をルーペで楽しんだりしてます。
より万年筆への愛が深まった気がします。ルーペを持ってない方はぜひどうぞ。